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お客様との“ものがたり”

おとうさんは釣りが好きだったよね

故人様との想い出や人となりをお伺いしていた時です。

「故人様はご趣味はなにかございましたか?」
「そりゃあ、釣りよ!」

奥様から間髪入れずお返事が返ってきたのですが
「でもね、竿もみな、入れられんからね。葬儀だって家族しか来ないしね。
もう、なんもせんでもええよ。」

と続けて仰いました。

奥様のその『なんもせんでもええよ』という言葉が心に引っ掛かったまま会社に戻りました。

事務所でその話をすると何かをひらめいたスタッフが「ちょっと待っててくださいね!」と勢いよく駆け出し、棺に入れられる素材でできた竿を手配してきました。
そして、持ち手のところに、よりそれらしく見えるようにテープを巻き付けたり、竿と馴染むように色を塗る細かい細工を施してくれました。
気づかない部分にまで、しっかりこだわるクオリティーの高さはまるで職人さんのようです。

『あちらに持って行って釣りを楽しんでもらいたいしね!奥様も喜んでくださるといいな。』

そんな思いを込めて作成した釣り竿と魚のギミックを準備し「魚釣り」を祭壇に再現することにしました。

あまりにこやかに笑うことのなかったご主人だったそうですが、なんとか見つけられた素敵な笑顔の写真で作成した遺影は偶然にもそれを釣りスタイルのような着せ替えをしていました。

祭壇の後ろから手前に釣り糸を引っ張り、魚を釣り上げた瞬間のように祭壇に組み込みました。
カスミソウで模した水の飛沫の中から魚が出てきているように見えます。

これをご覧になった奥様と奥様の妹様方が

「こんなに真心が詰まった祭壇は見たことがない」

と本当に喜んでくださり
焼香に来られる方にその都度

「これはね、お父さんが魚釣りしてね、釣れて喜んどるところよ」

と説明して下さっていました。
九州にお住まいだという妹さんからは

「付き合いで色々と葬儀に行っているけど、お花もこんなにバランスの良い飾り方は見ないわね。
もっと淡々としたものよ。家族葬と言っても、こんなに立派にしてくれるのね」

というありがたいコメントをいただけて、私たちスタッフもうれしい気持ちでいっぱいになりました。

奥様が「葬儀後もこの祭壇を見ながらお父さんと話がしたい」
「崩してしまうのがもったいない」とおっしゃられたので、祭壇写真を引き伸ばし額に入れてお贈りしました。

「なにもしなくていい」
その言葉の中に含まれたお気持ちを見つけることができて本当に良かったです。