- コラム
お清め塩の正しい使い方
2021年11月4日(木)
「葬儀から帰宅したら塩をかけるのが習慣」という方や
そんな話しを聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
最近では、会葬礼状と一緒に小さな袋に入った塩を渡す葬儀もあるようです。
そもそも葬儀の後に使用する塩は
「清め塩」「お清めの塩」と呼ばれているもの。
今回はお清め塩の使い方や、
葬儀のあとに塩を振りかけるようになった由来についてご紹介します!!
【 葬儀でお清め塩をもらったときの使い方 】
・お清め塩は家の中に入る前に行う
→お清め塩は、葬儀から帰ってきて玄関をまたぐ前に使うことがポイントのひとつ。
玄関先で使うのは「穢れ(けがれ)」を家の中に持ち込まないためといわれています。
・胸元と背中(肩)・足元に振りかける
→お清め塩は、胸元と背中や肩付近・足元の順番で一つまみずつ振りかけます。
血流は身体の上から下へと流れており「穢れ」は血流に沿って全身にまわると考えられているため、
胸から足に向かって塩を振りかけることで「穢れを払う」ことになるのです。
※塩を振りかけたあとは、手で払っておきましょう。
(振りかけたあとの塩も「穢れ」を持っているとされているからです。)
◎塩を振りかける前に手を洗うとベター
お清め塩は、もともと火葬場に行かなかった人にひしゃくで水をかけてもらい、手を洗ってから振りかけるものとされています。
現在は省略されることが多いですが、誰か葬儀に行っていない人がいなければ、協力してもらうと良いでしょう。
【 葬儀でもらったお清め塩の処分方法 】
・葬儀で受け取った塩は食べられない
→葬儀で受け取ったお清め塩は食品ではないので注意しましょう!
小袋の裏にも「非食品」と書いてあることが多いです。
湿気ないように乾燥剤が入っていることも多いので、誤って料理に使用したりしないように気をつけてください。
・お清め塩は普通にゴミに出してもOK
→できれば使い切る方がベターですが、それでも余った場合は、普通ゴミとして処分してかまいません。
「捨てるのはちょっと…」と抵抗がある場合は、庭先や玄関先にまく・水に流すという方法もあります。
【 葬儀後に行うお清め塩の由来 】
・根本には「塩=お清め」という神道の考え方
→葬儀後、身を清めるため塩を振りかけるという行為は、神道の考え方が根本にあります。
神道では、塩にはお清めの効果があり、魔よけの役割があるとされており、「死=穢れ」とされています。
穢れのイメージとしては、故人のご遺体自体を指すのではなく、死を取り巻く「邪気」のようなもの。
死の周りには「穢れ(邪気)」が漂っているとすれば、葬儀に参列することは、死の周りに漂う邪気を浴びて帰ってくる、と考えることができます。
そのまま自宅へ入ったとしたら、「穢れ(邪気)」も一緒に家の中に入ってきてしまうことになりますよね。
そこで、葬儀に参列したときについてきた「穢れ(邪気)」を取り払うため、塩でお清めをするのです。
・塩の持つ殺菌効果も関係している
→身を清めるために塩を用いたのは、塩の持つ殺菌効果も関係しているようです。
元々、神道で身を清めるために使用したのは「海水」。
海水は、殺菌効果と、体についた病原菌を洗い流すのに効果的だったからです。
時代の流れとともに、海水を簡略化した形で塩を使用するようになったといわれています。
いかがでしょうか。
「お清め塩」には深い意味が込められていますよね。
ぜひ、お清めの塩を使う際には思い出してみてください(^O^)